通年の聖書朗読箇所について

正教会では毎日の奉神礼において読むべき聖書の箇所があらかじめ定められています。以下の表は、そのうち主日および主要祭日の使徒経と福音経の箇所を示したものです。昔から「端」が朗読箇所を表す単位であって、「章・節」はかなり後代に付けられました。

パスハの日は毎年変わります（4月初め～5月初め位のいづれかの日曜日が当たる）。聖書朗読箇所はパスハ(復活大祭）が起点になります。パスハの50日後が五旬祭で、次の主日から「五旬祭後第○主日」という呼び方になります。

このように五旬祭第３２主日まで朗読箇所が決まっています。この後「税吏とファリセイの主日」からは次のパスハまで同様の順番に朗読されていきます。

しかし、例えば前年のパスハが4月初めで次年が5月初めというような場合、３２主日分の朗読箇所では足りなくなる場合があります。その時は一度読んだところをもう一度読むことになっています。例えば３６週あった場合、一旦第３１主日までいき、次の第３２主日には第２８主日の箇所に戻り、同様に第３３で２９、３４で３０、３５で３１、３６で３２にします。次の「税吏と･･･」からは順番に読んでいき大齋(GREAT LENT)を経てパスハに至ります。

ただし、この釧路ハリストス正教会では管轄司祭が複数の教会を担当していること等から、奉神礼を行わない主日があったり、また祭日と重なった時や降誕祭の前後などに定められた朗読を規定どおりに行わなかったりするので、それらの場合に飛ばしてしまった箇所を、この「税吏と･･･」の前の調整部分に使用することがあります。これについては釧路教会独自のもので、日本ハリストス正教会教団が発行している正教会暦や教団に属する他の教会と異なる場合があります。ご了承ください。

※追記 18主日以降のずれについて
「ルカによる福音書」の朗読は必ず「生命を施す十字架の挙栄」の祭日の翌日より始むべきものにして、それ以前に読むべきものに非ず」とする『奉神礼儀に用ふる新旧約聖書の章節目』（加島アキラ編、明治36年、正教会刊）”の規程により、聖書朗読箇所が変わることがあります。